1.はじめに

 本校では、平成二十九年度より一年生の総合的な学習の時間で防災教育「震災~故郷への思い~」を設定し、被災された方々の心情に触れ、自分たちが日常生活を送る地域の自然災害に目を向るとともに、災害時の行動や防災のあり方について考え、地域に発信していく学習を実践してきた。

 令和三年度、一年生の防災教育のスタートに当たり、生徒にとっても記憶に残る、令和元年度の台風十九号による災害に触れないわけにはいかないと考えた。そこでまだ復興の途中でお願いすることは憚られたが、本校さらには町でお世話になっている木村紀夫さんと,共に山口利幸(元長野県教育委員会教育長)先生に講演をお願いすることにした。

 また、昨年度一人一台のタブレット端末が配布され、ICTの効果的な活用を求められる中、発信の段階を大切にしたいと考え、信大の本間喜子先生の講演会を取り入れるなどをした。

2.学習の流れ

 本年度も新型コロナウィルスの感染状況を考えながらの学校運営であり、また夏場は猛暑冬場は大雪という状況で実践も当初予定したフィールドワークの期日の変更をするなど、実践には困難が伴ったが、次のような流れで学習を実践した。

段階学習内容備考日時
出会い1・2○防災教育講演会(PTA講演会)に参加する。
・被災された方の家族やふるさとへの想いを聴く。
・身近な事例から防災の必要感を持つ
・防災教育を通じて,何を学んでいけばよいかを考える。
*18日木村さんのビデオ視聴6月24日(木)
防災マップづくり3・4○フィールドワーク準備
・アプリの設定,使い方の確認
・グループの確認   ・交通方法の確認
・落合さんのリモートによる指導6月11日(金)
○廣内先生・講演会「いいづなまち・防災マップをつくろう!」
・防災教育で何を学んだらよいか?
・防災についてどんな準備をしたらよいか?
・防災マップづくりについて説明していただく
7月9日(金)
6・7○フィールドワーク①(2時間)
・自分の地区に帰り,グループでフィールドワークをする。
・地震,水害,資源の観点で調査する。
・信大生,飯綱町社協を通じての日赤奉仕団の方々の協力
*バスは町と社協にお願いする8月30日(月)
第56校時
○振り返り①
(グループでの学習)
・データの直し方の学習(20分)
・データを確認しながら,フィールドワーク①の見返す
(グループ間での討議)
・自分たちが何をポイントにフィールドワークしてきたかを発表し,同じ観点でフィールドワークしたグループ同士で意見交換
(グループでの学習)
・フィールワーク②の計画を立てる
*落合さん来校
*パソコン室利用
・意見交換は講堂利用
9・10○フィールドワーク②(2時間)
・見返しを元に,フィールドワークを実施し,自分たちの地域の防災にかかわるデータを入力していく。
10月22日(金)
11・12防災マップ作り
・フィールドワーク②の見返しを行い。Web GISを利用して,防災マップを作成する。
・調査内容とハザードマップを比べる。
・自分たちの地域の防災についての課題を発見する。
*PC室確保9月3日(金)
発信13・14〇県の協力をえて、「防災クロスロード」を実施する。
・もし災害が起こったとき,自分はどう行動するか考え,グループでシェアしていく。
10月7日(木)
15・16〇本間先生講演会「防災マップを発信しよう」
・自分たちがつくった防災マップを飯綱町の中のどんな人たちに伝えるか?ターゲットを決め発表する準備をする。・プレゼン作成
11月12日(金)
17~22○発表会に向けて
・グループごとに自分たちで発表方法を決めて,発表準備を進める
・発表準備・発表練習
23○学年学習発表会「私たちの地域の防災」
・自分たちの地域の防災について,提言を発表する。
・防災マップ作りの学習の振り返り
*木村さんリモート参加
参観日2月3日
振り返り24○事後アンケートを行い,学習の振り返りを行う。
・生徒の題材評価
2月