4.題材の評価

(1)生徒アンケートより

①いいづなタイム「震災~故郷への思い~」を学習して,あなたの満足度を該当するものに○印をつけてください。

(主な意見)

 ・長く続けてきた学習でもあるし、そのなかで学校以外のたくさんの人と交流したりして、学習するという普段やらないようなことができたから。

 ・自分の知っていたことも知らなかったことも、改めて知ることができたし、自分たちの町や地域の安全について、しっかり学ぶことができたから。

 ・木村さんの話を聞いたとき、故郷が震災でなくなってしまうことは、どんなに悲しいことを知れたし、命の大切さは改めて感じられたからです。

 ・自分たちの住んでいる地域について学んで、どこが危険か実際に見て感じて分かることができたから。それと自分たちの地域だけじゃなくて、地域の人たちの考えも聞けたから、考えが深まってよかったと思ったから。


②この学習があなた自身の学力の高まりや,自己の成長につながったと感じますか?該当するものに○印をつけてください。

(主な意見)

 ・自分でも初めてくらい災害のことに対して学習した、経験したことは今はないけれど、いつ起こるか分からないという心構えが持てたのでよかった。

 ・学力の高まりにはつながらなかったと思うが、成長には大きくつながった。他人にわかりやすく伝えるには、どうすればよいか、みんなで考えたりし合って、自分の意識が変化したと思う。

 ・自分の家の災害への備えはどうなっているかを気にして、「どこが足りないか」、「何をすればいいか」を考えることができたから。

 ・自分の考えも取り入れながらも人の考えを取り入れたり話し合ったりすることはとても難しいことだと感じた。発表準備をする上で戸惑ったりしていた。そんな経験もあって、人と協力するし、どのようなすればよいか考えさせられた。

 ・発表のやり方や話し方は、小学校や中学校入学当初のときよりも、はるかに上達したと思いました。その他、仲間との協力の大事さが分かりました。


③この学習では次の体験的な学習がありました。自分のためになったと思う順に番号を書いてください。

ア 講演会「飯綱の防災を拓く」(山口利幸さん,木村紀夫さんのお話) 6.5ポイント

イ 防災マップづくり(フィールドワーク)              5.4ポイント

ウ 学習発表会                           4.7ポイント

エ 講演会「飯綱町、防災マップを作ろう」(信大 廣内先生のお話)   4.4ポイント

オ 講演会「これまでの取り組みを伝えるために」(信大本間先生のお話)4.3ポイント


④この学習をさらに続けるとしたら,あなたはどんなことを追究しますか?

  ・地域の人たちにインタビューをして、「今の自分の地区はどういう状況か」ということや、「災害にどれだけ関心をもっているか」などを聞いて、自分の地域について、もっと深くまで知りたい。

  ・もっともっと自分の地域のことについて調べたいです。例 どこでどのようなことが起きるか。どういった避難経路で逃げるか。

  ・今回は小学校付近の川に焦点をあて、危険性は種類について詳しく学べたので、土砂災害や防災グッズについて調べてみたい。

  ・できるなら冬の期間はよく雪かきや除雪をしたい、公民館や安全な所をもっと増やしてもらえないか話す。


⑤今回の学習をあなたは日常生活にどのように生かしていったらよいと思いますか?

   ・自分の家が実際に災害に会った時を考えたい。ちゃんと家具は固定されているか。ペットはどうするか、頭を守れるところはあるか。危ないところはどこかとか。

     ・災害はいつ起こるか分かりません。なので災害への知識や準備などを行い。もしもの時に備えるようにしたいと思います。発表での分かりやすい言い方なども生かしていきたいです。

   ・まずできることから少しずつやっていきたいと思います。例えば消火栓などはお店や公共の施設など、いろいろな所にあるから、その場所を覚えたり、非常持ち出し袋を作ったりしてみたいと思います。非常持ち出し袋の中身は学習したからわかると思います。


⑥もし,来年の1年生がこの学習するとしたら,あなたはどんなことをアドバイスしますか。

     ・防災については難しいことも多いと思うけれど、学べば学ぶほど、自分の身につくことは多いから、この学習の1時間、1時間を大切にしてほしいということ。

  ・木村さんの話を聞けば、災害の怖さが現実的にわかるからです。私たちは自分で考えて発表したおかげで、より防災のことを追究できたので、1年生も防災は木村さんの話から自分で考えてやって欲しいと思う。

  ・自分が安全だと思っているところに危険があるから、フィールドワークをやるときは、よく注意して探すことが大切。

  ・目で見たらはっきりとわかる危険な所じゃなくて、普段歩いていないと分からない小さな危険も探すようにしてほしいです。

(2)分析

 生徒のアンケートから概ね生徒は満足感を感じており、また学力の高まりを感じている生徒も多く。概ね生徒にとって学ぶ価値のある学習になったのだと感じている。

  細かくそれぞれの学習場面を見てみると、やはり実際に経験された方の話は何よりも貴重で、今年度も被災された方々の話は子供たちの心に大きく響いたのだと伺える。また、防災マップ作成のためのFW(フィールドワーク)の有効が高いと感じている。これは普段生活し、登下校でも通る道なのに、改めて防災マップをつくる目的で歩いてみると違って見える。総合的学習で体験学習が重視されること、実際にやってこと重視される点がここに表れていると感じている。やはり総合的学習は体験活動が学習のきもなのであろう。

その学習を可能にしているのが、町、町社協、日赤奉仕団、さらには信大生と多くの方々の協力により可能になっている。その点をここで改めて感謝したい。

今度の特徴は、学習発表会の有用性が高いことだ。今年度、本間先生の講演会を取り入れ、ICTを活用させて発表させたことが成果として表れているように感じる。生徒たちは発表の中で友だちとかかわり苦労しながらも、その中で自分自身の育ちを実感している。