(3)防災アドバイザー 廣内先生の指導より

・避難訓練では周りに地震や火事など様々な危険がある。警報の種類や仕組みを知った上でもしもの時どう行動するのか、行動に起こす体験する、やってみて考えることが必要。

・自分の家から避難所までどうやって行くか考えることはすごく重要。冠水、土砂崩れ、木が倒れたら、蜂や蛇は?など、普段はないが、もし何かあったら…と考え自分の命を守る学習ができた。自分の力でできないときは…避難の途中だったら…などいろいろなパターンで考えていく。

・まとめていく途中で、信里にどんな危険なところがあるか、みんなで確認し、教えあう。さらに避難した次はどうする?さらに何ができるか?と考えていきたい。

・大人が見て何でもなくても、子どもの視点で教えてもらうことがある。どうすれば不安がなくせるか、お子さんと話して、また大人の視点に戻っていくとよい。

・地域のこと、信里全体のことを考えていきたい。

4.防災アドバイザーとの関わり

(1)7月21日(火)10:00~12:00 信州大学教育学部 廣内大助先生(本間喜子先生Zoom)

・地域と共催の信里地域総合防災教室の事前打ち合わせを区長会長1名、土尻川砂防事務所2名、学校2名 計7名(アドバイザー含)とともに行う。

(2)9月9日(土)8:30~12:30 信州大学教育学部 廣内大助先生

・地域と共催の信里地域総合防災教室の参観と指導

(3)12月21日(木)8:55~10:30 信州大学教育学部 廣内大助先生、特定非営利活動法人ドゥチュウブ 落合鋭充氏

「信里地区防災マップづくり」授業の指導

・各自宅と第一避難場所までの経路を確認し、地図に書き込む。防災マップへの反映。

・各自撮ってきた危険箇所の中から、各地区で地図に載せる写真(3枚以下)を選び、コメントを修正する

・記録したものを地図に反映させるための技術的な指導

5.まとめ

(1)地域との共催で防災意識を高めさらに地域へ発信

 防災マップ作りに向けて、子どもたちは保護者とともに自宅から第一避難場所までの道を歩き、危険個所や安全な場所などをタブレットで撮影してきた。災害の時に避難する経路を歩くことで、ここでもし災害が起きたら…と想像し、危険な場所や避難できそうな場所などを保護者とともに確認することができた。

 またその内容を地区ごと発表し共有することで、地域を知り、防災に対する意識が高まった。区長や保護者も参加し、助言や質問をするなど共に学び合う機会となった。

 さらに、その学習を生かした防災地図の完成を目指し、廣内先生と落合先生のご指導のもと授業を行った。児童は避難経路を確認し、地図に入れる危険箇所(写真)を厳選し、注意喚起する言葉を考えるなど、自分の住む地域の安全について真剣に考え話し合った。

 子どもの目線で作成したこの信里の防災マップを地域に向けて配布し、さらに地域の防災、安全を発信していきたいと考えている。

(2)災害に備えるために

 人口の減少等から地域での防災訓練が難しい現状であることから、地域住民も参加した避難訓練、煙体験は、重要な役割を担っていると感じた。だからこそ、様々なパターンを想定した訓練を取り入れていく必要がある。学校の安全設備のスタンプラリーは、もしもの時に備え自分の身を守ることにつながる活動となった。

 土砂災害の講演や実験では、初めて知る児童、改めて実感する保護者や地域の方の姿があった。自分の住んでいる地域に潜む危険を目の当たりにしたことで、他人ごとではなく自分のこととして考え、家族で災害への備えを考えるきっかけにもなった。 

 今後も、学校のこうした活動が信里地域の防災や安全を担うことにつながっていくと思われる。自分たちはもとより、保育園児やお年寄りなどみんなと助け合いながら災害から身を守るための活動を、地域とともに充実させていきたいと考えている。

(文責 教頭 鷹野絵理)