1.ねらい

 水害発生時、高齢者や体が不自由な方のためにどんな支援ができるのか、実際に高齢者の方と一緒に地区を歩く(フィールドワーク)中で支援の有効性や課題を発見する。

2.活動の概要

・廣内先生(信州大学教育学部教授)の研究室の協力により、タブレット端末とそこにインストールされた防災教育用アプリ『フィールドオン』を利用する。

・各地区の民生児童委員さんから2019年「台風19号災害」での地域の避難行動や現在の地域の様子を聞き、清野地区の防災課題を考える。

・長野市防災ハザードマップをもとに清野地区の一時避難場所を想定、高齢者とともに避難する中で、考えられる支援行動を実際に行い、有効性や課題を考える。

・支援行動の様子をタブレットで撮影し、フィールドオン上のマップに必要な支援についてコメントと共にのせる。

3.児童の様子

・実際に地域の方から話を聞くことにより、災害について詳しく知ることができ、自分たちが経験していないことを知ることの大切さを感じていた。

・コロナ禍により地域全体の結びつきが希薄になる中で、児童自身も自分の家の周りの方について知らないことがある。地域の様子を知ることが地域全体の防災につながることに気づいていた。

・地域の方と一緒に避難場所まで歩くことは、自分たちでは気づかなかったことや、必要な支援を考えることにつながっていた。

【児童の感想より】

・台風19号災害時の避難状況や現在の地域の様子を聞くことで、実際に避難するときに、どんな行動をとればいいのか、どんな支援が必要なのかを考えることができてよかったです。災害が起きたときのために、普段から避難方法や避難ルートなど訓練しておくことが必要だと思いました。

【児童のまとめより】

・災害時には、今の状況を正確に判断するために、テレビやラジオ、防災無線などで、避難が必要なのかを判断し、すぐに行動することが大切です。災害が起きた時には、避難が困難な方がいます。その人が何を求めているのかを考え、その人に合った支援をしていくこと、1人ではなく地域全体で命を守っていくことが大切だと考えます。

4.まとめ

 令和元年度から始まっている本校の防災学習は、これまでに「地区の危険個所」「水害について」「土砂災害について」と地区が抱えている課題について学習を積み重ねてきた。このことにより、清野小学校の子どもたちの防災に対する意識は高くなってきていると感じている。

 本年度は、「実際の避難行動について」意識を広げることができた。今後の取り組みとしては、「避難する人の立場」や「安全性を高めるための避難場所設置」等に児童の意識を位置付けていきたい。