1.はじめに

 信里小学校は、長野市の南に位置する茶臼山の山腹を通る県道の峠に位置し、児童数44名の山間小規模校である。東には眼下に長野市街地が広がり、北にはアルプスの峰々が一望できる恵まれた環境にある。農業が盛んで、野菜やりんごの栽培の他に、400を超える溜め池を水源に稲作も広く行われている。茶臼山はかつて大規模な地滑りが発生したことでも知られ、現在でも地滑り防止のための維持管理が続けられ、地滑りの跡地は恐竜公園や茶臼山動物園として利活用されている。地域の災害の特性としては、土砂災害が挙げられるが、耕作放棄地の増加に伴って使われなくなった溜め池も潜在的な危険である。大雨の時には側溝から水が溢れ出たり、強風や落雷の時に身を隠す場所が少なくなかったり等、傾斜地特有の気象災害への備えも必要である。

 

2.本校の防災教育について

 本校は、本支援事業の指定を受け5年目となる。学校防災アドバイザーの先生方にご指導をいただき、自ら考え行動できる子どもの育成と地域と連携した防災活動をめざして、下記のような実践を行ってきた。

【平成30年度の取り組み】

(1) 地域と連携して行う避難訓練の充実

 ①基本の避難経路確認(緊急地震速報受信システムの利用)

 ②休み時間の避難訓練(集合場所への予備訓練・篠ノ井消防団第五分団による指導)

 ③信里子どもプラザとの合同避難訓練(特別教室からの避難の仕方を確認)

 ④不審者対応(信里駐在所警察官による不審者役及び児童への指導・非常階段からの不審者侵入を想定した職員対応訓練)

 ⑤児童引き渡し訓練(凶悪犯地域徘徊を想定・保護者への緊急時メール配信及び児童引き渡し手続き訓練)

 ⑥青池保育園と合同訓練(電気系統使用不可を想定した職員の行動訓練・防火扉作動時の避難の仕方と避難経路の確認)

(2) 地域と共に「総合防災訓練」

     ・区長会(防災会)と共催

(3) 地域学習「危険箇所と水資源を知る」→防災行動マップの更新、活用

 ・区長会と共催 ・地域委員会、民生委員、地域ボランティアの協力

(4) 岡崎市立常盤東小学校との防災授業交流(6年)

(5) 5カ年を1サイクルとした信里小防災学習計画の見直し、作成