防災教育を中心とした実践的安全教育総合支援事業の取組について ―地域と共に総合防災訓練―(長野市立信里小学校)
5.まとめ
(1)様々な想定で避難訓練を実施する中で、今年度は新たに防火扉の点検と防火扉を作動しての避難訓練を行った。防火扉の避難口を潜り抜ける体験ができたこと、基本の避難経路以外に新たな避難経路を体験することができた。
(2)初めて行った地域と共催の総合防災訓練は、地域防災への意識を高めた。
①保護者や地域住民、消防団と共に緊張感のある避難訓練が行えた。避難訓練の経験が少ない保護者や地域住民が、学校の避難訓練を体験することができた。
②学校管理の災害用備蓄物資を体育館に展示したことで物品の点検ができたこと、学校保管の災害用備蓄物資を保護者や地域住民が知ることができた。また、避難所開設用品や仮設トイレ、間仕切りボードで仕切られた部屋等、実際に確認できたことは避難所を現実のものとして感じることができた。
③身近にある材料で新聞スリッパやビニール袋カッパを作ったことは、災害への備えについて意識を高めることにつながった。
④大雨警報発令により日程や内容を変更して訓練を行った。児童は自由参加とした地区の防災訓練であったが、多くの児童が保護者と共に参加し、地域の大人の避難訓練を知ることができた。また、雨量や警報、災害は突然起きることに意識が向いた
(3)総合防災訓練の後半に行う予定であった地域学習を別日に行った。平日にもかかわらず、区長、学習ボランティアなど地域の皆さんの協力で行うことができた。危険箇所点検に加え、水資源や災害時のう回路、危害獣の出没についても知ることができ、防災行動マップを更新した。地域学習を積み重ねてきたことで、児童は自分の地区を知り、地区の人々との繋がりができてきている。
(4)防災アドバイザーの先生方のおかげで、岡崎市常盤東小学校との防災学習交流が、テレビ会議システムを活用して実現した。互いの防災活動を伝え合い、意見交換ができたことは6年生にとって大変有意義な交流となった。ふるさと信里を語る絶好の機会をいただけた。
(5)今年度、5か年1サイクルとなる地域と共催の防災教育計画ができあがる。これまでに培ってきた地域と共に行う防災活動を今後も大切にし、活動が継続し充実したものとなるように地域とともに実践を積み重ねていきたい。
(文責 教頭・宮川史枝)