全 校:防災教室

5学年:『防災マップを作ろう』(総合的な学習の時間)

3学年:『洪水が起きたときの行動を考えよう』(総合的な学習の時間)

1はじめに

 本校は長野市南部の松代町内にあり、千曲川の右岸に位置する。校庭の東側には清野保育園があり、交流活動も行っている。学区内は、学校西側で千曲川堤防沿いに位置する1区(松代町岩野地区)、学校の南東で南側に山が連なる2区、学校東側で大部分は平地部の3区(ともに松代町清野地区)の3地区に分かれている。児童数は41名で、徒歩で集団登下校をしている(下校については、プラザ利用の児童を除く)。

 学校及び学区のほぼ全体は、令和元年改訂の長野市洪水ハザードマップで5~10mの浸水予測が出されている。また、地域の南側には山が連なっているため、土砂災害警戒地域になっているところもある。この地域は水害常襲地域でもあり、過去には江戸時代の『戌の満水』(1742年)や昭和57年の台風18号災害で浸水被害を受けている。なお、戌の満水の際には、学区東端のやや小高くなった部分の上にある離山神社の境内に多くの人が避難したとの記録がある。令和元年の台風19号災害においては、学区内で大きな被害はなかったが、千曲川堤防の上端ぎりぎりまで水が迫り、多くの子どもたちが家族と共に親戚宅や指定避難場所へ避難した。

2本校の防災学習の始まり

 昨年度、4年生の児童が、総合的な学習の時間を利用して、洪水が起きたときの行動を考えるための学習を行った。この学習は、自分たちの住む地域がハザードマップで赤く塗られ、浸水想定区域となっていることを知った子どもたちが、周囲よりも高く安全な場所はどこなのか考えるところから始まった。信州大学教育学部教授の廣内大助先生をはじめとした関係者の方々にご協力をいただき、タブレット端末とそこにインストールされた防災教育用アプリ(『フィールドオン』)を利用し、危険だと思われるところや安全だと思われるところの写真を撮ってアプリ上のマップに反映させるフィールドワークに取り組んだ。また、アプリに表示される標高を見ることで、避難に有効な高さがありそうなことを確認することができた。最初は水が流れることを意識して水路に目を向ける子どもが多かったが、何度かフィールドワークを重ねるうちに、浸水により見えなくなった時の状況を考えて写真を撮る子どもも出始めた。マップを完成させた子どもたちは、学習発表会の中で家族に向けて防災学習を通して学んだことや感じたこと発表した。