(3)洪水が起きた時の行動を考えよう(3年生)

①ねらい

  ・洪水発生時に清野地区にいた場合、避難するための高いところはどこか、危険なところはどこなのか、実際に地区を歩いて自分の目で確認する。

②活動の概要

  ・廣内先生(信州大学教育学部教授)の研究室の協力により、タブレット端末とそこにインストールされた防災教育用アプリ『フィールドオン』を利用する。

  ・アプリを使用し、タブレット端末で撮った写真をそのまま地図上にアップしたり、自分たちがいる場所にハザードマップを重ね合わせて危険性を確認したりする。

  ・写真に合わせたコメントを残す。

③児童による調査報告

  ・小学校南側の大宮地区では、古峰神社は高いと考え調査を開始した。実際に調べてみると、ほぼ安全であると考えられるが、ハザードマップを重ねてみると浸水想定の最大値では、30~50cm浸水することが分かった。そのため、より高く広い土地がある林正寺に避難することが安全であると結論づけた。この地区は田畑が多い関係上、道のわきには用水路が多い。実際に水が来てしまった場合、ガードレールのないところが多く、水路の存在が分かりづらい。グレーチングで覆いがされている所もあるが、固定されていないものもあり、外れてしまう危険も想定される。

  ・学校東側の地区は、平坦な土地が広がっており実際に避難する高い場所は見当たらない。水道局や工場など可能性のある建物はあるが、やはり最大級の浸水には耐えられないと考えた。ハザードマップを細かく見ると、離山神社のみ浸水しないことが分かった。ここは、1860年に起きた「戌の満水」の時にも多くの住民が避難し命を長らえている。神社までの避難については、他に逃げることができる場所がないため迅速な行動が求められるが、避難場所として考えられる。

  ・書籍から、岩野地区は過去に大きな被害があったことが分かり、原因についても調べた。この地区は、千曲川がすぐ近くで川の曲がり角にあるため、洪水の被害が多くあったのだと考えた。更に調べてみると岩野地区の道路の下に水路が多くあることがわ分かった。マンホールやグレーチングが多く、洪水の時には外れてしまうことが考えられる。千曲川から水があふれてきた場合、最初に浸水するリスクがあることが分かった。そこで、避難するためには妻女山がよいのではないかと考えた。妻女山は411mなので、避難する高さがある。山道なので登るときには注意が必要だが、命を守るための避難場所としては十分である。

④児童の感想

  ・自分たちの地区は、多くの場所が浸水してしまいます。1区妻女山、2区林正寺、3区離山神社など、安全な場所は分かりましたが、そこに行くまでの道には、用水路が多くあったり、千曲川が近かったりと安全ではありません。私は、この学習をしてみて、安全に避難できる場所があっても、早く行動しなければ自分の命を守れないことが分かりました。洪水が起きないことが一番ですが、万が一起きてしまった場合、自分たちが調べてきたことを生かして、自分の命を、そして大切な人を守れるようにしたいです。