「令和2年度松川小学校6学年 総合的な学習の時間」活動報告
松川村防災パンフレットをつくろう~地震について知る活動を通して~
1はじめに
本校は、長野県中部、安曇野の北部に位置している。松川村の北西部には北アルプス連峰がそびえたつ。村内には、幾筋もの川も流れており、田園地帯の自然ゆたかな村である。
本校は令和2年度 長野県青少年赤十字研究推進校の指定を受け、「気づき、考え、行動できる児童の育成~いのちの大切さを学ぶ活動を通じて~」をテーマに、全校で防災教育に取り組んできた。自分の身の回りにある危険に気づき、それに対し自分は何ができるのか、これからどうすればよいのかを考え続ける子どもを育てていきたいと願い、日々の教育実践を積み重ねてきた。
2学習のはじまり
令和2年4月以降、長野県中部を震源地とする地震が相次いだ。教室内では、頻発する地震のこと、規模の大きさ、地震が起こった時の自分の状況が、子どもたちの話題に上がることもあった。
震度5の地震を想定し、行った避難訓練後の事後指導でのことである。子どもが、「地震のことで心配なことは、ない」と、つぶやいた。授業者が、「地震、心配じゃないの?」と問いかけると、「怖いとは思うけど、実感がない」という返事。子どもたちに、防災の意識を確かに根付かせたいと考えた授業者は、防災教育研究テーマに沿って、授業実践を積み重ねたり、防災教育の授業について、様々な角度から考えたりし始めた。
3経過
9月 〇松川村避難所見学(松川村かぶろ会館)(※講師:松川村役場総務課 防災担当の皆さん)
松川村役場が中心となり、新型コロナウィルス感染症にも配慮した避難所を設営し、村民に開放された。
子どもは、室内のレイアウトや避難所の備品、村の備蓄物品の数々を見せていただいた。
10月 〇打ち合わせ(信州大学 廣内大助先生、松川小学校)
防災教育推進の方向性について、共通理解を図る。
11月 〇地震の被害を知る ~神代断層地震の記録から~(※講師:松川村役場総務課 防災担当の皆さん)
全校での避難訓練実施後、神代断層地震の被害について、記録写真を交えながら、当時の白馬村内のよ
うすや人々の動きを教えていただいた。
被害のようすを目の当たりにし、子どもたちは言葉を失った。地震の恐ろしさだけでなく、万が一のと
きのために、備えることの大切を感じることができた。
〇通学路は安全か、見に行こう
子どもから、「(地震の際)自分たちの通学路は、安全なのか?」と、声があがった。松川小学校を起点
に、自分の目で建物を見ながら、通学路方面を歩いてみたいという願いをもった子どもたち。6つの方
面に分かれて、フィールドワーク実施計画を練った。当日、歩くルートも子どもたちが決めた。