(4)防災マップの見直し

 3年生の総合的学習では中学生議会を中核とする主権者教育「私の飯綱町~15歳の提言~」に取り組んでいる。7月にはより町について知る活動の一環として,各教科で講座を開き,教科の学習と関連する内容を学習した。

 理科では「自分の通学路、避難場所の安全を考えよう」をテーマにして,理科の地層の学習と絡めながら,以下の課題を追究しながら地域を巡り,防災マップを作成した。

課題1)自分の通学路、住んでいるところの周囲、避難場所となる公民館までの道など,自分が利用する場所にこのような地形はないだろうか。また、地滑りの危険地帯として指定されている場所になっていないだろうか。

課題2)北国街道など古くからあった道が川を横切っている場合、橋の高さが低い場合がある。このような橋は大雨の時に水がかり,この場合、通行不能になってしまう恐れがある。自分の通学路や避難所への避難経路にこのような場所はないだろうか。

課題3) 地下に断層があって地上まで現れている場合は崖となっている場合がある。飯綱町は飯縄山などの火山灰が堆積しているため、地下に断層があるかどうかはっきりしていない。ところが飯綱町では江戸時代に大きな地震による被害があった記録がある。このような場合は地上に直線上の地形があったり,地下からの力で道路やコンクリートの構造物に割れ目やひびが入る場所が直線上に存在する場合がある。

 3学年の生徒は1年時に防災マップを作成してきた生徒たちである。さらに理科の学習と関連させながら学習したことで,教科の学習と総合的な学習の関連により一層理解が深まり,また教科学習の有用性を生徒が実感できる場面になった。

 今後,防災マップを作成する上で,教科学習との関連をさらに深めて学習を展開することで,より教科横断的な総合的学習を展開していきたい。

(5)小中の連携

 防災マップのシステムを小学校にも広げていくため,学区内の二小学校でも利用できるように研修会を開いた。

 小学生にはデータの見直しは難しいのではないかと感じていた先生もいたが,実際に操作してみて,小学生でも十分編集できることを実感した研修会になった。

 今後,さらに小中の連携を図り,防災マップを町全体で活用できるものにしていきたい。