(3)融雪型火山泥流の模型実験

 ハザードマップで融雪型火山泥流のリスクを学んだものの、具体的なイメージが湧かない児童が多くいました。そこで、信州大学教育学部 榊原先生・竹下先生の協力を得て、浅間山の模型を作成しました。寒天で作った地形モデルに、霧吹き(雪)、洗剤と水(溶岩)を用いて、泥流の広がりを実験しました。

  • 霧吹き1回・液体3ml → ハザードマップ通りの泥流発生
  • 霧吹き2回 → ハザードマップ以上の被害発生
  • 火口の位置変更 → 泥流の流れが変わる

 「私の家は15分で泥流に飲み込まれるかもしれないのに、その危険を知らなかった」「家族も融雪型火山泥流について知らないかもしれない」「雪の多い年は泥流の規模が大きくなる。普段から積雪量を意識しておきたい」といった気付きが生まれました。

 また、実験結果を踏まえて「家族にも泥流の危険性を伝えたい」「自分が住んでいる場所のリスクを知ることが大事だと気づいた」といった声も上がりました。

浅間山融雪型火山泥流実験

(4)避難所体験

 学習の集大成として、学校を第1次避難所に見立てて1泊する体験を行いました。条件は「水・電気なし、ガスは使用可」。事前に保護者と相談しながら防災バッグを準備し、実際に使用しました。

実際の避難生活では、避難者同士の協力やルール作りの必要性も実感しました。「21時30分以降は会話をしないルールにしたけど、静かすぎてねられなくてしゃべっちゃった。」「寝る場所の確保が大変」「電気がないとトイレに行くのが怖い。」「非常食を実際に食べると味や量が気になったし、鯖缶のごみのにおいが気になった。」など、避難生活のリアルな課題にも気付くことができました


(5)アウトプットタイム

学んだことを地域や旅行者にも伝えたいと考え、以下の活動を実施しました。

  • 保護者向けの防災啓発プリント配布
  • 学習成果をまとめたポスターを校内掲示
  • 「防災バッグの重要性」を伝えるプレゼン
  • 「融雪型火山泥流の危険性」を知らせるポスターやスライド作成

3.まとめ

 今回の学習を通じて、子どもたちは「防災は特別なことではなく、日常の中で意識することが大切だ」ということを学びました。地域の防災意識を高めるためには、児童が学んだことを家庭や地域に伝えることが重要です。今後も、防災意識を持った児童が増え、地域全体の防災力向上につながることを期待しています。