【長野市立塩崎小学校】ー塩崎地区の水害から学ぼうー
1.はじめに
塩崎小学校は、長野市の南部にあり、JR稲荷山駅の東側に位置する、全校児童224名の中規模校である。今年度から信更地区の児童も通うようになり、学区は、信更地区と、塩崎地区の北東の東篠ノ井地区から南西の長谷・越地区まで約8㎞と大変広く、千曲川沿いに住宅や田畑が並んでいる。2019年(令和元年)の台風19号では、千曲川および岡田川の越水によって、児童宅を含む地域の住宅の一部に床下浸水等の被害があった。台風19号の被害から5年が経ち、当時の地域の様子を知る児童も少なくなってきているが、水害の被害に遭ったことを風化せず、防災についての児童の意識を高めたいと考え、本活動を実施した。ここでは、主に6年生の取り組みを紹介する。
2.本校の水害時防火体制確立の判断時期及び役割分担
3.学校防災アドバイザーの関わり
(1)学習のはじまり
6月18日 修学旅行で『そなエリア東京』を見学し、地震が起きた時にどうすればよいのか、避難する時にどんな事に気をつければよいか、地震災害後の支援が少ない時間をどうしたらよいかなど、防災体験をしながら生き抜く知恵を学ぶことができた。自分の住む地域でも災害が起こった時にどう避難するか考え始めるきっかけとなった。
(2)事前打ち合わせ
8月22日 信州大学教授廣内大助先生と打ち合わせを行った。近隣の小学校の過去の実践例を教えていただき、信州大学で開発した防災教育用アプリ「フィールドオン」を活用しながら、子どもたちが実際に地域を散策し、危険個所を探して入力し、地図にまとめる活動(防災マップ)についてご指導いただいた。
(3)アプリを使ってみる
9月24日 信州大学防災教育センター倉澤さんから「フィールドオン」の使い方を教えていただいた。子どもたちはタブレットをもって実際に学校内を歩き、危険個所を入力し、校内安全マップにまとめた。
(4)フィールドワーク
10月16日 子どもたちが学校の周りを歩き、「フィールドオン」を使って、水害時に危険になる所を探した。学校の東側の地区では、川が近いので水害の危険が高く、学校の西側の地区では川から離れるので水害の危険性は少ないことがわかってきた。
(5)塩崎地区の被害状況について
6年生は台風19号による水害の時は1年生だったこともあり、あまり記憶に残っていない児童が多かったが、中には、自分の家が被害に遭い、片付けが大変だったことを記憶している子どももいた。そこで、友だちの話をもとに、家の人や地域の方に当時の話を聞いて、5年前の塩崎地区の被害状況について調べた。
(6)災害が起こった時には
10月21日 松代復興応援実行委員の曲尾さん・西澤さんに、実際に地震や水害が発生した時の様子を手作り紙芝居で読み聞かせをしていただいた。また、防災すごろくを体験しながら、自分だったらどうしたらいいか考えた。
(7)防災ポーチ作り
災害が起きた時に避難する際に、自分が少しでも落ち着くものを持っていくといいことを知った子どもたちは、防災ポーチに何を入れるかを考えた。
(8)学習してきたことを発表
11月15日 学校と地域で共催した廣内先生の講演会「地域と学校とで地震災害に備えよう」の前に、6年生が今まで学習してきたことを、高学年児童・保護者・地域の方に 発表した。