防災教育を中心とした実践的安全教育総合支援事業の取組について ~児童が自ら考え行動できる能力を養うための取組~ 長野市立加茂小学校
3.学校防災アドバイザーの関わり
(1)ソフトウェアの更新と本年度方針打ち合わせ(メールにて):4月〜8月
(2)本年度授業方針打ち合わせ(本校にて):8月2日16:00~17:15
① 参加者:信州大学教育学部廣内大助教授、Duchubu落合様
② 内 容:今年度の学習に関する打ち合わせ。ICT機器の事前準備を行うとともに、改めて防災学習のねらいについてご指導を受け、共通理解を図った。
(3)ソフトウェアの動作確認と授業訪問(フィールドワーク):10月10日8:00~10:30
- 参加者:Duchubu落合様 信州大学教育学部学生5名 地域ボランティア3名
- 内 容:タブレット端末が正常に動作しているかの確認と、子どもたちの活用の様子を観察。学生チューター、地域ボランティアへの助言。フィールドワーク中の安全確認にご協力いただいた。
(4)授業訪問(フィールドワーク) :10月17日8:00~10:30
① 参加者:信州大学教育学部廣内大助教授、同学部学生2名 教育委員会職員数名
② 内 容:班に分かれてフィールドワークを行うため、道中の交通安全面およびソフトウェアの操作等、児童の活動について円滑に行えるようにしていただいた。
(5)ソフトウェアについて:Dochubu落合様
・フィールドワークで行ったデータが見えなくなるなど、不測の事態が起きるたびに電話やメールで、解決のために複数回のアドバイスをいただいた。
(6)今年度の実践について:信州大学教育学部廣内大助教授
・今年度の実践を進めるにあたって、児童が自ら考え行動できる能力を養う取組について、メールにて複数回のアドバイスをいただいた。
4.活動状況
(1)活動のテーマ・参加者
日ごろよく行く場所で発災した際の避難所までの避難経路を考える。3学年児童43名。
(2)活動のきっかけと目的
子どもたちが、日ごろの避難訓練の様子を想起しながら、自宅で被災したとき、周囲の状況がどのようになるかを考え、学校外での被災においても避難する必要があることを感じた。その際、日ごろよく行く場所を具体的に想定し、「そこから避難場所である小学校までどのルートをたどることが安全な避難に繋がるのか考えたい」という思いが高まった。
そこで、いざというとき、よく出かける地域の場所(友達の家・公園など)から安全に避難することが本当にできるのか、各々の場所から学校までのルートが本当に安全なのかどうかを考えたり確かめたりすることを通して、一人一人が防災や安全への意識を高め、主体的に防災や安全について取り組む
(3)活動内容
①9月12日
学校外で大地震になった時には、学校など公共 施設が避難所となることを確認した。
②10月10日、17日
野外活動で、大地震になったときに危険と感じた情報をタブレット端末に記録し収集した。
③10月11日、18日
各班の調査データが統合された防災マップを見ながら考察した。
④10月下旬
各班の調査データが統合された防災マップを見ながら、適切な避難ルートはどこなのかや、何に注意すべきなのかなどについて考える。また、一人一人自宅から避難場所まで避難する際の具体的行動について作文にまとめた。
(4)防災マップの様子
(5) 事業の成果及び今後の課題 (○・・・成果、●・・・課題)
○ICT(タブレット端末)とGIS(地理情報システム)を活用した防災学習の取組を実施することができた。
○日常的に目にしてきた裏山や通学路などを防災の視点で見ることができた。
○班での活動を全体に紹介する必要があるので、伝える力が向上した。
○タブレット端末を使った学習であったので、ICT活用の力が向上した。
○タブレット端末にコメントを入力するので、習いたてのローマ字を習得する力やタイピングする力が向上した。
○野外活動で自ら見て回り、実際に安全に避難できるのか考え合ったことで、自分たちの住む地区の安全について考えを深めることができた。
○今年度は、学生チューターのほか、地域ボランティアの方にもフィールドワークの支援をしていただくことができた。学校の学習に興味を持っていただき、来年度も協力をいただけることになった。
●学習成果を地域へ発信してほしいという要望も受けた。今後、地域と連携した活動の充実を図っていきたい。