総合的な学習の時間「震災~故郷への思い~」(防災教育)のカリキュラム開発

~防災マップづくりを中核に据えて実践を通して~

飯綱町立飯綱中学校

(文責:飯綱中学校 1学年主任総合的な学習の時間係 伊藤秀雄)

1.飯綱中学校の防災教育について

飯綱中学校の「いいづなタイム(総合的な学習の時間)」では,2年3年でそれぞれ職場体験学習と中学生議会を体験活動の中核に据えるキャリア教育「未来へのパスポート」,主権者教育「15歳の提言」の学習に取り組み,学校教育目標「自立」の具現を図ってきている。

しかし,それらの学習を支える1学年の総合的学習は,これまで地域学習等に取り組んできたが,時間数が50時間に限られていたり,地域の特性から冬場に校外での学習を行うことが難しかったりするなど,実践の困難点があった。

一方,生徒会が中心になり,東日本大震災で原発事故が起こった福島の支援を平成26年度から行ってきており,その取り組みは町内の小学校,高等学校にも広がってきている。

しかし,福島への支援は,学校内外の取り組みとして定着してきているものの,被災された方々の心情を考えることや地震の活動期に入っている日本の中で,自分たち自身が防災意識を高め,災害に備えようと意識を高めるまでの学習には至っていなかった。

そこで,1年生後期の総合的な学習の時間では,被災された方々の心情に触れ,自分たちが日常生活を送る地域の自然災害に目を向けて,防災のためにどのような取組をしていったらよいか考え,地域発信していく学習を設定したいと考えた。そこで,防災教育「震災~故郷への思い~」を設定することにした。

そのような学習を通して,自分の地域への理解を深め,故郷への思いを醸成し,防災意識を向上させることを願った。さらには地域理解やICTの活用など,2年3年の学習を支える学習として位置づけたいと考えた。

 

2.指導計画

段階 学習内容
題材との出会い 1・2 ○防災教育「震災~故郷への思い~」のオリエンテーションを行う。・小学校の時の福島への支援を想起させ,震災について説明する。

・題材の設定理由と展開を知る。

・木村さん(福島で被災され長野に避難されている)について取り上げた「NHKクローズアップ現代」を視聴。

・学習を通しての「なりたい自分」を設定する。

(*生徒の興味関心を把握するためのアンケートを行う。)

3・4 ○木村紀夫さん講演会「東日本大震災6年後の現実と防災」

・木村さんの娘・家族,故郷への思いを聞く。

・防災教育を通じて,何を学んで欲しいか。木村さんの願いを知るとともに自分なりの思いを持つ。

防災マップづくり 5・6 ○廣内先生講演会「防災マップをつくろう」

・「防災マップ」をつくる必要性を知る。

・マップづくりを通して,何を学んだらよいか考える?

・防災マップのつくり方について説明していただく。

7・8 ○フィールドワーク①(2時間)

・自分の地区を中心に,グループでフィールドワークをする。危険箇所等を調査し,iPadを利用し防災マップをつくる。

9・10 ○防災マップづくり①

・フィールドワーク①の見返しを行う。

・Web-GISへのデータの入力,見返しをする。

・調査結果をグループごと発表し,2回目のフィールドワークへの課題を持つ。

11・12 ○フィールドワーク②(2時間)

・前時のフィールドワークの見返しをもとに,危険箇所を調べる。

・フィールドワークを元に防災マップの作成する

13・14 ○防災マップ作り②

・フィールドワーク②の見返しを行い。

・Web-GISを利用して,防災マップを作成する。

発信 15・16 ○防災学習を行う

・「防災クロスロード」を実施する。

*町社協の協力を得て,県政出前講座で実施する。

17~22 ○発表会準備

・「防災クロスロード」で学習したことを活かし,自分の地域で,「災害が起きたらどう行動したらよいか?」を考え ,発表会に向けて防災マップを見直し,提言をまとめる。

○学習発表会

・学習の成果を保護者等に発表する。

振返り 25 ○事後アンケートを行い,学習のまとめと振り返りを行う。

・生徒の学習を振り返り,自身の調査活動と題材を評価する。